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ゲバラの国のハーレーダビッドソン

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1959年1月のキューバ革命から50年。ゲバラがまた再評価されている年になっている。

現在、ゲバラを描いた映画としてスティーブン・ソダーバーグ監督の「チェ28歳の革命」(10日公開)、「チェ39歳別れの手紙」(31日公開)の2部作があり、ベニチオ・デル・トロ主演で日劇PLEX(東京都千代田区有楽町)など各地で上映される。

肖像画のTシャツなど若者のファッションにも影響を与えたゲバラだが、映画はアルゼンチン生まれの青年医師が中南米を旅しカストロに出会って革命を目指す姿や革命成功後、キューバを離れ、南米ボリビアで銃殺されるまでの短い39年間の生涯を追う。

中南米の旅については、ロードムービー風のモーターサイクル・ダイヤリーで描かれているので、バイク映画としてもおもしろい。






映画の公開とともにキューバの中のハーレーについて目を向けてみよう。

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最初のハーレー・ダビッドソンがキューバに輸入されたのは1920年代のこと。パワフルでしかも丈夫で長持ちしたので、軍や警察車両として持ち込まれたようだ。しかし、1959年の共産革命と結果、ハーレーを含む米国からの輸入は一切禁止になり、車両はもちろんのこと、一切のパーツを手に入れられなくなってしまった。

それから50年が経ちいまでもキューバでハーレーのパーツを入手するのは困難ではあるが、ここキューバにはまだ100台以上のハーレー、しかもビンテージマシンが現役で活躍しているのはなぜだろうか?

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セルジオ・モラレスは、唯一ここキューバでハーレーを修理しリペアパーツを製作している唯一のキューバ人メカニックで、彼の仕事のおかげでどんなハーレーも現役で走らせることができる。

彼はこじんまりとしたどこにでもあるようなハバナ風の家でリペア作業をしている。エンジンのリビルドは彼自身がパーツの作成をする必要もあるので、1~2年はかかるようだ。

「このハーレーのエンジンたちは永久に動きつづけるさ。」

と彼は言う。

禁輸措置がはじまると、動かすことのできないハーレーの価値は暴落した。多くの警察官は配備されていた2000台のハーレーの中から好きなものを40ドル以下!で手に入れることができた。その頃もっともキューバでポピュラーで便利なバイクは東ドイツのMZsというバイクだったのだ。

「キューバは世界の中で貧しい者がハーレーを買うことができた唯一の国に違いないよ。」

と、モラレスは言う。

「俺達は、ただ動くための乗り物が必要だったんだ。MZsは高くて買えなかった。だからハーレーを手に入れたんだ。」

モラレスが最初に手に入れたのはすばらしいコンディションの1946年式の1200ccナックルヘッド・サービーカーだ。3輪式で後ろに収納スペースがあるので、リペアグッズを積んでお客の家まで修理しに行くのに活躍したが、そのナックルヘッドはいまも毎日動いている現役のマシンだ。

「キューバではハーレーは、ファインアートのような美しさとかじゃく、実用的なかっこいい道具なんだ。」

ミルウォーキーで、生き残ったナックルヘッドが博物館に保存されている同じ時代に、彼のナックルヘッド・サービーカーは当たり前のように路上に停められて、ちょっとした日陰を近所の犬に提供している。

モラレスの個人バイクは彼自信が"エル・インディオ"と呼んでいる1950年式のパンヘッド。1986年にそれまで乗っていた1945年のフラットヘッドを売って1000ドルで買ったものだ。そのパンヘッドはまだほとんどがオリジナルパーツのままだと彼は言う。もっとも、ホイールはSkoda(シュコダ)やチェコの自動車のものを付けているが。

モラレス氏はロシア製のサイドカー、"ウラル"からサイドカー部分を自分なりにコピーしてハーレーのサイドカー用として製作したりといろんなアプローチをしている。

セルジオ・モラレスは、彼がはじめてハーレーのメンテナンスマニュアルを手に入れたのは1990年のこと。しかし彼は既にそこに書いてあるすべての内容をすでに体験から知っていたので、それを発見しただけであったようだが。

現在でも禁輸措置のために、米国民が直接キューバに旅行するのが禁じられいるが(日本を含む他国経由だと可能。もちろん日本人はOK)、キューバに到着し、ハバナのホテル前のビーチに急いで行く前に、ハーレー乗りならまずセルジオ・モラレスを訪問してみよう。

彼はこの国でたった一人でハーレーを動かすことに情熱を注いできたもうひとりの英雄だ。
















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