Harley-Davidson NEWS(ハーレーダビッドソン ニュース)#08 NEWS

10年目のクールブレイカー

 先日、パシフィコ横浜で開催されたカスタムショー、「クールブレイカー」の模様を撮影した大量の写真やエンコードしたビデオを自分のブログや、動画共有サイト「YOUTUBE」にアップロードすると世界中のいろんなハーレーオーナーからかなり大きな反響があった。

 もらったメールはなんと500通以上!クールブレイカーは日本でAMD's World Champion Ship認められた唯一のショーであることや、2006年頃から一部の日本人カスタムビルダーが海外で評価されるようになったことがこのショーのレベルが海外でも話題になるようになった理由だ。

 時を同じくして、ハーレー・ダビッドソン(以下ハーレー)のアメリカ本社が、AMD's World Champion Shipのカスタムバイクビルディングとモディファイド・ハーレーバイクショーのオフィシャルスポンサーになることが発表された。

 なぜハーレーがAMDのショーのスポンサーになることがニュースなんだとお思いの方もいると思うが、これは結構サプライズなニュースなのだ。
 ハーレーは自らがオフィシャルスポンサーを務めるハーレーだけが参加できるカスタムショーを運営している。しかもAMDなど外部団体が運営するカスタムショーのコンテストは、90年代からずっとコンテストのルールを拡張してきたために、これらのショーで発表されるバイクは、ハーレーのルックスであってもアフターマーケットのフレームやエンジンを積んだバイクが主流のため、ハーレーが直接これらのショーをサポートするメリットはなかった。

 しかし違う見方をすると、ハーレーがオフィシャルパートナーになったのは当然なのかもしれない。
 なぜなら彼らには自らがワールドワイドなカスタムショーにハーレーだけのモディファイクラスを創設し、それを活性化させることでカスタムバイクを作る個人やプロフェッショナルとの結びつきを強めるという目的があるからだ。

 ハーレー純正パーツ&アクセサリー部門のマーケティングマネージャー,スティーブ・エンショー氏は最近のインタビューでこう述べている。 

"ハーレーがワールドチャンピオンシップのプログラムを新しく作るのは、マーケットをリードするためのアプローチのためだ。AMDとは、ハーレー純正というカスタムのジャンルを作っていくための提携を今後は加速させてくだろう。"

 いろんな思惑が絡んでいるが、こういうアプローチはうれしい限りだ。メーカー主導でベース車両のファクトリー・チョッパー化が進めばユーザーの選択の幅を広がるし、アフターパーツのマーケットがさらに活性化するに違いない。

 しかしクールブレイカーを主催するホットドックの河北さんによると、話はそんなに単純でもないらしい。 「確かに自分達が海外でガンバリはじめてからは、日本のカスタムシーンについての問い合わせは増えたし、実際日本に興味を持っている人はたくさんいる。けど、アメリカからヨーロッパへのビジネスやカスタムショーの流れはかなりうまくいっているようだけど、日本はアメリカを始め海外のアフターパーツメーカーからすると市場規模が小さすぎるんだよね。」

 カスタムショーはその国、地域でのアフターパーツメーカー主導の販促活動の場でもある。年間1万台以上ツインカムが売れていても、日本のカスタムハーレーの市場は外国からすると微々たるもの。
 厳しい車検と法律に加えて、環境に対する新たな規制などによってさらに日本のカスタム市場は縮小するだろう。

 だから世界で評価される日本人ビルダーはアメリカを目指すのだろうか。ゼロエンジニアリングの木村氏は、アメリカの西海岸カリフォルニアに拠点を移した。海外のSNSでは、彼が精力的にいろんなショーを回っている模様を見ることができる。

 ハーレーの本場で腕を試したいというマインド、数億円を払ってカスタムバイクを依頼するハリウッドのスターたちとダイレクトに話ながら好きなバイクを創造できる刺激・・・。

 アメリカのそれはカスタムハーレーの環境や経済規模は日本のそれとは全く違う。ディスカバリーチャンネルに出演しているショップ、オレンジカウンティーチョッパー(OCC)のファクトリーの飛行機の整備場のような巨大さがカスタムバイク業界におけるアメリカのその規模を示している。
 逆に日本ってどうなんだろう?オリジナリティはあるが独自で小さな市場として、今後もこのままやってくのかな?それともカスタム業界のイチローが現れて、閉じていた日本の市場はどこかで世界とつながるんだろうか?

(クラブハーレー2009年6月号に掲載)






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