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福島旧車会 春のツーリング

TOY RUN HDバイカーのチャリティー参加記

TOY RUN HDバイカーのチャリティー参加記

- 社会奉仕それとも.....偽善?-


by くるま@アトランタ '98 FLHRCI


※この記事は、1998年12月に当時アトランタ在住だった、くるま氏よりHDNに投稿いただいた内容です。


#1 クリスマスとチャリティ

日本でもクリスマスを迎えて町がはなやいでいることと思いますが、我が国は、宗教的対立が建国の大きな原動力になったこともあり、人々のクリスマスに対する思い入れは無宗教の日本人の想像をはるかに越えると思います。当地は一言で云えば

   " (富の)標準偏差の大きな国 "

です。しかし、クリスマスの時に限っては、この差がすこしだけ小さくなってくるように思えます。また、普段激しい生存競争をしているアメリカ社会の人達も、すこし優しい気持ちになってくるような気がします。

考えてみると、皆がいつも以上に、すすんでボランティア活動やチャリティーに参加するのもその一因かなと思います。TVニュースでは募金やカンパが呼びかけられ、スーパーマーケットの入り口では鐘を鳴らして募金をつのる女性が夜遅くまで立っています。

 

#2 TOY RUN トーイラン

さてさて、本稿では、12月6日 σ(^o^;)が所属している北ジョージアHOG(注1) (Harley Owners Group) 主催の「TOY RUN」についてお話ししようと思います。このイベントの第一の目的は、HOGから、恵まれない子供達(ホームレスの子供や孤児たち)におもちゃをプレゼントすることであります。ただ単にプレゼントするのではなく、HOGが所属するディーラーから、ジョージア州ゲインズビル(Gainesville) のコミュニティセンターまでの約15マイル(約25km)を、おもちゃを携(たずさ)えて、HDで行進するのです。これが第二の目的です。集められたおもちゃは最終的にパプティスト教会の団体(シークレットサンタプログラムという計画にジョイントしている)が子供達にプレゼントするため、我々が直接子供達にプレゼントを手渡すわけではありません。

参加資格は 1) HOG北ジョージアチャプターのメンバーでHDに乗って、(これは今回厳密でない、日本車の飛び入りも多かった) 2) おもちゃ(TOY)を一人最低一個、しかも包装紙に包まずに持参することです。プレゼントなのに包装紙に包まない(unwrapped) のはおもちゃの中身が子供達によく見えるようにするためだそうです。金額、男の子用、女の子用、など細かい指定は一切なし。とにかく包まずに持ってきてくれというのがおもしろい。σ(^o^;)も今回が初めての参加でした。

アメリカらしいなぁと思うのは、自治体が積極的に支援してくれること。つまり、白バイが先導してすべての信号、一時停止をノンストップで通れるのです。警察の協力が得られるのは年間のイベントのなかで、このときだけ。警官が路上に出て交通整理にあたってくれ、爆音マフラーのいれずみバイカーも警官の前でどうどうと信号無視。この快感を味わいたくてこのチャリティ行事に参加する人たちも少なくないようです。

 

#3 さて当日は

当日は快晴で12月とは思えないようなあたたかい日になりました。摂氏で25度くらい。Tシャツやノースリーブで参加している人もいます。

12時30分ディーラー前出発のところ、50分ほど前にいってみると、すでにディーラーの駐車場はバイクとヒトで埋まり、入りきれないバイクが2列縦隊で路肩に止まっています。HOGのアクティビティーマネージャーと握手を交わしてサイン。(注2) サインしたHOGメンバーだけで約200名。HOG北ジョージアチャプターに入ってないヒトや、サインしない他メーカー車のオーナーも列に加わっているので実質的には200台以上、250名ほどが参加したようです。この企画は天候に関わらず実施することになっていますが、昨年は雨のため、80台の参加しか得られなかったとのことでした。

知り合いのメンバーと挨拶、握手して、話をはじめると30-40 分はあっという間。会長より簡単な説明があり、白バイ3台の先導で12時30分ちょうどにスタート。白バイには日本製4気筒もあるはずなのですが、この日は意識してHDの白バイを用意したようです。白バイに続く、一般車先頭は、そりをかたどったトレイラーつきサイドカー、これに千鳥走行 (stagged formation) のHDがつながります。σ(^o^;)はなかほどにいましたが、先頭と最後尾は全く見えない。日本の春秋交通安全運動でパレードに参加したことは何度もあるけど、これほどの集団でノンストップ走行するのははじめての経験です。

方々のエレクトラグライドからはクリスマスソングが流れ、ヘルメットにトナカイの角やサンタクロースの帽子をつけたヒトもちらほらいます。ノンストップなのでデジカメをシールドバッグに入れて、走行中の写真もたくさん撮りました。約10ー30マイルで流れていたと思います。 (1マイル/時=1.6km/h)

沿道の人たちはみな好意的で、対向車も隊列が通過する間はじによって、一時停止、手を振っててくれました。警笛をがんがん鳴らしてひやかすヒトもいて、これはほんとにアメリカチックですね。

目的地のコミュニティセンターの手前 200m以外は、本当にノンストップで到着。時間にして約30分。日曜日のうららかなはずのコミュニティセンター前の道路は警察官、サンタクロースに扮したバイカー達と爆音で大変な喧噪です(笑)。

コミュニティセンターではボランティアの人たちが飲み物と、軽食を用意してあたたかく迎えてくれました。センターの一室は瞬く間におもちゃで溢れました。

写真に示したおぢさんはチャリティー団体の人らしく、そり(トレイラー)の上に乗って、バイカー達に感謝の言葉を述べていました。強烈な南部なまりでしたが、

"この行事がなければプレゼントなしでクリスマスを迎えなければならない子供達が大勢でるところだった。本当にありがとう"

との内容でした。その後は流れ解散。なじみのメンバーと10人ほどで昼御飯を食べて、その後夕方まで山にショートツーリングに行って、帰宅したのは5時半頃でした。

ちなみにこのTOY RUNというイベントはHOGやジョージアにのみあるわけではなく、このシーズンにはいろいろな各地で、いろいろなカタチで催されているようです。バイク屋にいくとこの手のチャリティランのチラシがたくさんあります。

 

#4 社会奉仕それとも偽善?

さて、サブタイトルに"社会奉仕それとも偽善?"と書きました。口うるさい人からは"バイクに乗らなくても社会奉仕はできるでしょう"との批判が聞こえてきそうです。友人のバック(元ジョージア州立大教育学部長)にも、意地悪い質問と知りつつ、このことを聞いてみました。

バック曰く "僕はいいことをするときに自分も楽しみたいんだヨ。自分にも褒美をあげたいんだ。だから参加しているのさ。バイカーの中にはいい人もいるってことをみんなに知らせたいしね。"

とのことでした。日本のみなさんには"バイクで悪いことをする人"というと夜中に爆音をたてて集団走行する"暴走族"や単独でかっぱらいをする"強盗犯" 程度の 「軽」 犯罪を思い浮かべられると思いますが、残念ながら、当地のバイクやくざは、殺人、誘拐、人身売買、売春、麻薬と悪事の限りを尽くす集団もいて、"バイカー"の持つ響きは決して良いモノではありません。ブランドイメージを重視するHD社としても、このようなソフトウエア(イベント)をHOGを介して提供することは重要な意味合いがあると思われます。個人的にもバイカーのソサエティーの宣伝活動として、また社会によりふかく認知してもらう手段としてTOY RUNはナカナカ良いなと思いました。

 

#5 くるまシンブンニノル

参加者はほとんど100%白人で、一人ぽつんといたアジア人の僕に、取材に来た地元新聞社の記者が話しかけてきて、少し話し込んだのですが、好意を持ってくれたようで、翌日の新聞(THE TIMES 地方版) に写真付きで掲載してくれました。アメリカのマスコミはマイノリティ( =σ(^o^;) )をより頻回に取り上げることがイメージアップの常套手段ですので、これにのせられた感もありますが、おかげで今回、アメリカ大陸で発行されている新聞にはじめてσ(^o^;)の写真が載ることとなりました。ささやかながら日本人のイメージアップになってくれればうれしいかぎりです。アトランタの某HDディーラーでいまなお Remember Pearl Harbor のナンバープレートが売られているのを見て残念に思っていましたから。

ここまで読んでくれたみなさんのなかに

  "いっちょーバイクを通してなにかいいことをやってみようか"

という気持ちを持ってくれるヒトがいたらうれしく思います。アメリカのチャリティの多くはキリスト教精神に根ざしたものですし、日本ではこのようなイベントが少ないかもしれませんが、イベントがなくても身近なことからはじめられかもしれません。たとえば、キャンプ場ですすんでゴミを拾うのもそのひとつかと思います。重要なことは.....

  一般人の前で、

  バイク乗りとわかる格好をして

  (可能ならHDロゴをつけて (笑) )

やることでしょうか......

 

#6 HDチャリティの効用>σ(^o^;)

アメリカで現地人と深い交流を求めるのならある程度の英会話能力が必要ですが、それだけではダメでしょう。見ていると、短〜中期、当地に滞在する大多数の日本人は現地人と表面的なつきあいしか果たせてないような気がしています。夏にHOGの炎天下路上ゴミ拾い(その後ツーリングに行くというタフなイベント 15人ほどしか参加しなかった)に参加しましたが、これをきっかけにHOGメンバー達がσ(^o^;)を見る目が変わってきたように思えてなりません。なにしろHOGではσ(^o^;)以外は全員白人ですから。

σ(^o^;)もHDがなかったら、ヒマで無為な休日を過ごしていたことと思います。(日本を出発する前は、オマエ単身でアメリカ行って有り余る休日にナニスンダとそうとう冷やかされた) あにはからんや、HDのおかげで、ツーリングというそれなりの危険を伴う行為を現地人と共有し、ボランティア活動を通して心の交流を達成でき、アメリカ家庭にも招かれ、ホントにHD様々です。BMWや日本車だったらムリだ

ったでしょう。医師で大学勤務というバックグラウンドを持っていたことも一助にはなりましたが。(当地では謙譲はつねに美徳ではありません。自分に誇りを持つことが他人から認められる基本と思います。生意気、偉そうなヤツという発想はあまりないようです)

 

#7 さいごにくるまの主張 (^o^)/  バイクが本当に好きなら何でもバイクを通して

社会奉仕、ボランティア活動はそもそも強制ではないわけですが、どうせ何かやるのなら、やはりっ、バイクがらみでやりたい。趣味だから当然だけど、普段われわれは、バイクの情熱のベクトルが、メカとか、車両のカスタマイズとか、ツーリングとか内なる方向に向きすぎてような気がする。σ(^o^;)も日本にいたときも安全協会に入って、日曜バイク教室の指導員とか交通安全運動の旗振り、バイクストップ作戦 (^^; とかやってたけど、いまいちベクトルが内側に向いていたような気がしてなりません。当地で2,3回活動しただけでは自慢できるほどぢゃないけど、こんなことを積み重ねていきたいと思っています。

お節介といわれればそれまでだけど、HD(二輪車)の評判が良くなるように、善良な(HD)バイカーという印象を持たれるように、日本のみなさんもがんばってほしいとおもう。"ええかっこしぃ" "やかましい" "自己満足" "環境破壊" という心ない批判に耐えつつね ......(-_-; 陽気で明るく(^_^)。  

当地のHD事情理解の一助になれば幸いです。おそまつペンペン。m(-_-)m

 

<< 脚 注 >>

注1 HOG North Georgia Chapter

メンバーは約400人。σ(^o^;)は今月から幹事 Photographer 写真部長に選ばれま

した。笑

活動に関する問い合わせは Ngahog@aol.com まで(英語のみ)。

σ(^o^;)にメイルしてくれても良いです(日本語可 (笑))。

北ジョージアHOGホットライン(留守番電話) <- おすすめ一度きいてみるべし

 (ITJの場合日本から 0041-1-770-434-3031)

ジョージア弁はジミーカーター元大統領の演説で聞くことができますが、カーターはそれでも、かなり標準語に近い方です(笑)。このホットラインでは本格的な南部なまりを聞くことができます。当チャプターの最終的な行事予定が毎週アナウンス(30秒ぐらい)されます。

-笑い話-

ホットラインを担当しているジムがある日 "どうも最近、何度も何度もホットラインに電話するくせにちっともメッセージを残さないヤツがいるんだよなー、おかげでテープがすぐ一杯になってしまうんだ。バックグラウンドの音からするとどうも同一人物のようなんだが (--#) " (あとで顔を真っ赤にしてジムに謝ったm(-_-)m 二人で爆笑 ...最近反復回数は減りました 笑 )

このホットラインを一度聞いて大要を理解できたらあなたの応用英語力はかなりのモノだと思います。ジョージア人の英語は、英国人はもちろん、ミッドウエストの米国人でもなかなか通じません。

注2

北ジョージアHOGではツーリング、行事に参加する際に必ずサインを求められます。書類には自分の意志で行事に参加すること、事故の際に主催側であるHOGに対して責任を追及しないこと(免責)が明示されています。これもアメリカらしい。

写真の説明

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そりのついたトレイラー。サイドカーで牽引


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きれいなショベルサイドカー

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出発の1時間以上前から来ていた人たち

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先導のポリスもHD

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駐車場に入りきらず、ディーラー前路上で2列縦隊でスタートを待つ参加者


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サンタクロースも同乗(笑)

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これでも12月、異常に暖かかった。


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走行中の写真、最後尾は見えない。下に写っているのはσ(^o^;)ボクのツアーパック


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走行中

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目的地の手前でやっと一時停止 落ち着いてシャッターを切る


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ハーレーサンタのカップル


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天気が良く、肌やイレズミを出す人も多かった


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積み上げられたおもちゃの山最終的にこの2倍近くの量に


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キリスト教会系の二輪車クラブ 聖書のマークを背に

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バプティスト教会のシークレットサンタプログラム主催者がお礼の言葉を述べているところ

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翌日の新聞記事 矢印がくるま


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