私がハーレーに乗り始めた1998年頃、純正や他のカスタムパーツを集めるための主な手段は、近所のハーレーディーラーなどで分厚いカタログを千円ぐらいでで買ってきて、FAXで注文するやり方だった。
その後はインターネットで海外のショップのWebサイトにアクセスし、日本より安い値段で純正パーツを買うのが自分の主流になった。モノによって日本の1/3ほどの値段で同じものを手に入れられるのは、とてもうれしい方法だった。
それでもロードキング用のレッグガードを航空便で送ってもらって配送料金が4百ドル。日本で買うより高いという痛いこともあった。そんな失敗含めて自らのサイフをはたくといろんな経験ができる。おかげでずいぶん買い物上手になったような気がする。
丁度同じ頃、山梨に居を構えるカスタムショップ、「モーターサイクルズ・デン」主催の伝説的なミーティング「ハーベスト・タイム」が形を変えて「A-DAYミーティング」となった。このA-DAYの魅力のひとつがハーベストから延々と続くスワップミート。
参加者は朝一番で目的のパーツをゲットするためにオープン前の会場ゲートに並んだ。もっとも当時、私は98年式のロードキングに乗っていたためA-DAY会場のスワップミートに出品されたブツには全く心がときめかなかったのだが今ではそれをとても後悔している(笑)。
A-DAYが初めて開催されたのが確か1999年。それから世の中ずいぶんとアナログが消えデジタルになりネットワーク化されたようだ。そうそう、昔はミーティングで撮った写真を他のメンバーにプリントしてお互い渡しあったりしたが、それはデジタルカメラに取って代わった。ハーレー乗り同士の日々のコミュニケーションもインターネットと携帯電話がなくては成立しずらい時代である。
さて、現在国内のハーレーの車両、パーツなどオークション機能は新旧に関わらずヤフーやBiddersなど大手ポータルサイトに登録さえすれば簡単に商取引ができる。とある友人は乗り換えのため愛車を手放す際もオークションで買手を見つけた。買取業者に売ったり下取りするより高値がつくそうだ。
エボリューション以降は、国内のオークションでも十分いろんなモノを探せるが、残念ながらショベル以降とそれ以前はアメリカ本国のオークションと日本のそれは規模、質ともにまったく違う。
さて、今回の本題だが、アメリカの代表的オークションサイト「ebay」を普段私がどのように使っているかちょっと話てみたいと思う。
ここebayは個人でハーレーのパーツを探す世界中のユーザーから、掘り出しものを売り買いする業者まで様々な人の欲望がうごめいている世界一ホットなハーレーオークションマーケットと言っていい。
ebayにアクセスすると、私はまず「NOS panhead」と入力する。NOSはNew Old Stockの略で、いわゆるもう市場で売られていないデッドストックのパーツを指す言葉。探すのは1963年式のデュオグライド用のパーツだが、検索で「Duoglide」と入力しないのは、前後のモデル(例えば初期頃のショベル)などでも共通に使われているパーツを見逃さず、関連キーワードの中から自分が求めるモノをじっくり吟味するためだ。
今考えると数年前は旧車パーツも比較的平和な様相だったが、ここ1~2年で急激に高騰し掘り出しモノが激減した。アメリカのマーケットへの日本からのの積極的な買いも原因のひとつと言われている。
経験上、ebay上で日本からの入札があると落札金額が大幅に高騰することが多い。 NOSのプラグを数十ドルで落札した時、私が日本人だということが分かると「日本人には絶対に売らない。」と言って取引を一方的に破棄した売主がいる。
「お前ら日本人はアメリカの魂を金に物言わせて買い漁って好き放題やっている。昔からのアメリカのハーレー愛好家は本当にお前らに迷惑してるんだよ!」
当時はものすごく凹んだり、反対に怒ったりしたが、彼とは2年後別のオークションで偶然出会い和解し今ではよく連絡を取り交わす友達となった。その頃、日本がイラクに自衛隊を派遣することを小泉首相が決断していたからかもしれないが。彼はそれ以降、私をずっと"同盟国の友人"と呼んでいる(笑)。
NOSパーツの適正価格は幾らが適正かと言われても正確に答えるのは難しい。最近、ファイバーグラスのサドルバッグのフタを落札した。
パンやショベルに使えるハコのフタは、40年ほど人々の関心にあまり留まることなく過ぎてきただけに市場に出回ることも少なく、程度のよいモノは私も含めてマニアが積極的に獲得に走る貴重な代物なのだ。 同じ出品者からは"新品のサドルバッグとサポート"というファイバー系サドルバッグ業界では数年に一度という超豪華版掘り出し物も出品されていたが、当然イナゴの大群のような入札者が世界中から殺到し高額で落札された。
その落札者が日本人かどうかは分からないが、同じ日に入札していたBUCOのウインドシールドの落札者は日本人で、それもいつも通りビックリするような金額なのはいつも通りのこと。
きっとあと10年ぐらいしたら日本のオークションマーケットにアメリカのハーレー乗りから入札がされるような日がやってくるような気がする。
オールドハーレーは民間で取引される美術品のようなものだ。
アメリカ人がその価値を再認識し、日本のマーケットにそれを取り戻しにやってくるまで、我々はそれを大事に預かっておく義務があるのかもしれない。
(クラブハーレー 2007年4月号に寄稿)
その後はインターネットで海外のショップのWebサイトにアクセスし、日本より安い値段で純正パーツを買うのが自分の主流になった。モノによって日本の1/3ほどの値段で同じものを手に入れられるのは、とてもうれしい方法だった。
それでもロードキング用のレッグガードを航空便で送ってもらって配送料金が4百ドル。日本で買うより高いという痛いこともあった。そんな失敗含めて自らのサイフをはたくといろんな経験ができる。おかげでずいぶん買い物上手になったような気がする。
丁度同じ頃、山梨に居を構えるカスタムショップ、「モーターサイクルズ・デン」主催の伝説的なミーティング「ハーベスト・タイム」が形を変えて「A-DAYミーティング」となった。このA-DAYの魅力のひとつがハーベストから延々と続くスワップミート。
参加者は朝一番で目的のパーツをゲットするためにオープン前の会場ゲートに並んだ。もっとも当時、私は98年式のロードキングに乗っていたためA-DAY会場のスワップミートに出品されたブツには全く心がときめかなかったのだが今ではそれをとても後悔している(笑)。
A-DAYが初めて開催されたのが確か1999年。それから世の中ずいぶんとアナログが消えデジタルになりネットワーク化されたようだ。そうそう、昔はミーティングで撮った写真を他のメンバーにプリントしてお互い渡しあったりしたが、それはデジタルカメラに取って代わった。ハーレー乗り同士の日々のコミュニケーションもインターネットと携帯電話がなくては成立しずらい時代である。
さて、現在国内のハーレーの車両、パーツなどオークション機能は新旧に関わらずヤフーやBiddersなど大手ポータルサイトに登録さえすれば簡単に商取引ができる。とある友人は乗り換えのため愛車を手放す際もオークションで買手を見つけた。買取業者に売ったり下取りするより高値がつくそうだ。
エボリューション以降は、国内のオークションでも十分いろんなモノを探せるが、残念ながらショベル以降とそれ以前はアメリカ本国のオークションと日本のそれは規模、質ともにまったく違う。
さて、今回の本題だが、アメリカの代表的オークションサイト「ebay」を普段私がどのように使っているかちょっと話てみたいと思う。
ここebayは個人でハーレーのパーツを探す世界中のユーザーから、掘り出しものを売り買いする業者まで様々な人の欲望がうごめいている世界一ホットなハーレーオークションマーケットと言っていい。
ebayにアクセスすると、私はまず「NOS panhead」と入力する。NOSはNew Old Stockの略で、いわゆるもう市場で売られていないデッドストックのパーツを指す言葉。探すのは1963年式のデュオグライド用のパーツだが、検索で「Duoglide」と入力しないのは、前後のモデル(例えば初期頃のショベル)などでも共通に使われているパーツを見逃さず、関連キーワードの中から自分が求めるモノをじっくり吟味するためだ。
今考えると数年前は旧車パーツも比較的平和な様相だったが、ここ1~2年で急激に高騰し掘り出しモノが激減した。アメリカのマーケットへの日本からのの積極的な買いも原因のひとつと言われている。
経験上、ebay上で日本からの入札があると落札金額が大幅に高騰することが多い。 NOSのプラグを数十ドルで落札した時、私が日本人だということが分かると「日本人には絶対に売らない。」と言って取引を一方的に破棄した売主がいる。
「お前ら日本人はアメリカの魂を金に物言わせて買い漁って好き放題やっている。昔からのアメリカのハーレー愛好家は本当にお前らに迷惑してるんだよ!」
当時はものすごく凹んだり、反対に怒ったりしたが、彼とは2年後別のオークションで偶然出会い和解し今ではよく連絡を取り交わす友達となった。その頃、日本がイラクに自衛隊を派遣することを小泉首相が決断していたからかもしれないが。彼はそれ以降、私をずっと"同盟国の友人"と呼んでいる(笑)。
NOSパーツの適正価格は幾らが適正かと言われても正確に答えるのは難しい。最近、ファイバーグラスのサドルバッグのフタを落札した。
パンやショベルに使えるハコのフタは、40年ほど人々の関心にあまり留まることなく過ぎてきただけに市場に出回ることも少なく、程度のよいモノは私も含めてマニアが積極的に獲得に走る貴重な代物なのだ。 同じ出品者からは"新品のサドルバッグとサポート"というファイバー系サドルバッグ業界では数年に一度という超豪華版掘り出し物も出品されていたが、当然イナゴの大群のような入札者が世界中から殺到し高額で落札された。
その落札者が日本人かどうかは分からないが、同じ日に入札していたBUCOのウインドシールドの落札者は日本人で、それもいつも通りビックリするような金額なのはいつも通りのこと。
きっとあと10年ぐらいしたら日本のオークションマーケットにアメリカのハーレー乗りから入札がされるような日がやってくるような気がする。
オールドハーレーは民間で取引される美術品のようなものだ。
アメリカ人がその価値を再認識し、日本のマーケットにそれを取り戻しにやってくるまで、我々はそれを大事に預かっておく義務があるのかもしれない。
(クラブハーレー 2007年4月号に寄稿)