■レベル0実地
いよいよ、レベル0の実地が始まりました。ジャンプスーツに着替えタンデム用のハーネスを体に付けます。無線のイヤーホーンを付け、ヘルメットにゴーグル、グローブを身に付け、ヘリポートへ移動します。
フリーフライトジャパンではAS350というフランス製のヘリコプターを使って空に上がります。ヘリポートへつくとヘリがどーんと待っています。搭乗口でEXITの最終練習をします。「チェックイン!チェックアウト!アップ!ダウン!ゴー!」・・・まあ、これはだれだってできるでしょう。50センチ下が地上なんですから。
ヘリに乗り込みいよいよ出発です。実はヘリに乗るのも初めての経験でした。ローターの回る音があまりに大きいのにちょっとびびりました。間もなくふわりと空中へ飛び立ちました。飛行機と違って規定高度のDZ上空へたどり着くのはわずかに5分ほどです。今回のEXIT高度は11,500ft、約3,500メートルです。遠くの山々まで見渡せます。また、気温もマイナス15度程です。寒いです。やはり緊張します。こういう緊張感は久しぶりに味わうので、妙ににやけています。恐怖感はありません。
まもなく、クライムアウトの指示がでました。EXITする位置に移動します。左足を一歩外へ出せばそこは空中です。なにもありません。
さあ、いくぞ。
ホテルチェックをします。レベル0はタンデムなので背中にJMがいます。そのため機内と機外にJMはいません。レベル1からはそこにJMがいるので、そのつもりになってホテルチェックをします。
「チェックイン!」
「OK!」
「チェックアウト!」
「OK!」
さあ。未知の大空へ・・・
「アップ!ダウン!ゴー!!!」
落下していきます。遊園地のジェットコースターに似た感覚があります。視界には蒼い空とさっきまで乗っていたヘリが見えます。
?????
ってことは仰向けじゃん!!まずい!!
もっと強くアーチポジションをとります。ぐるりと体が反転して今度は地面が見えます。
「うおぉ。すげえ」
感心しきりです。

ぽんぽんと肩をJMが叩きます。はっとして右側を見ると「アルチメーターを見ろ」のハンドサインが出ています。
そうだ!やることは山ほどあるのだ!さっそくサークル・オブ・オブザベーションをやり、つづけてPRCPを3回、そしてまたサークル・オブ・オブザベーションと一つ一つ声に出しながら行いました。なんとかこなせたようです。アルチメーターが6500ftあたりを指しています。あと1000ftでパラシュートを開かなければならない高度です。周りの景色を堪能する暇などまったくありませんでした。5,500ftになりファイブファイブの指示を出し、グラウンドでやったようにルック、リーチ、プルをします。タンデムなのでリップコードはダミーです。すると間もなく体にグンっとテンションがかかりました。
JMがパラシュートを開いたのです。バタバタバタ!という音が止むとあたりは急に静かになりました。
「イヤッホーーーー!!」とJMが叫んでいます。緊張が一気に解けました。キャノピーチェックをし、トグルを握ります。その手をJMが掴んでキャノピーコントロールの操作を実感します。
ここで、耳に痛みがあることに気が付きました。急激に降下したために気圧が上がり鼓膜が圧迫されているのです。山に登ったときの違和感程度のそれとは全く違うものと感じるほど圧迫されているのがわかります。急いで耳抜きをします。すると耳につけていたイヤーホーンから地上の誘導無線が入ってきました。
グラウンドトレーニングで習ったようにキャノピーコントロールをJMが見せてくれます。DZへの進入方法も風上から風下へダウンウインドレグで入り、90度ターンを2回してファイナルアプローチへと入っていきます。なるほど〜〜とまたもや感心です。地上まじかになってフレアをかけてランディングです。ちょいと尻餅をついてしまいました。
パラシュートは日本語でいうと「落下傘」ですが、実際このようなランディングの仕方を体験すると、落下するための傘というよりは、空を滑空するための航空機と呼んだほうがよいと思えます。
その後、JMとデブリーフィングを行い、レベル0での注意点などをログブックにつけていきます。
ログブックには日付や、EXIT高度、フリーフォール時間などを書く項目があります。今回のレベル0は、高度11,500ft、フリーフォール時間40秒です。なんとまあ、たった40秒しかなかったのですね。
JMの記述欄には、「EXITは、アーチが不足」「PRCPはOK」「高度認識良好」「ファイブファイブサインを出して自分でプル」と書かれました。
そして、JMのサインとうれしいことに、「NEXT L-1」と書かれています。レベル0は修了です。