旅をしながら考えること
ここ一年くらいかなり深く入って回しているプロジェクトがあって、自分の持っている多くの時間をそれに対して費やさねばならない時間が続いています。
同時にヨーロッパとアメリカの現地まで出かけて行ってやることがいちいち増えていて、そのせいでここの更新も遅れがちになっています、申し訳ない。

先週はNYCとLAとサンフランシスコをハシゴ。これはタイムズスクエア、久しぶりに夜に時間が取れたので初めての観光(笑)。
しかし強く感じるのは我々日本はものすごい早いスピードで今まで手にしていた栄華を失いつつあること。今回は初めて入国手続きの際に職業といやっていることを担当に伝えると、
"あなたたちはこの国でマーケットを失いつつあるよ"
とすごくストレートに言われた。それはもっとがんばらないとダメだという彼なりの激励の意味もあるのだけど、普通のひとにさらりと言われたことで自分の思いはさらに強くなった
アメリカだけでなく海外のどこにいても感じる存在感がどんどん薄くなる日本と日本人。
資源も何もないアジアの小さなこの国が富めることができているのは、繊細な技術の集積と勤勉な国民性によって作られたモノを輸出することで外貨を稼いできたからだ。
しかしそれはアジアの他の国に模倣され、水平分業かされた産業形態によって日本が得意としてきた分野は骨抜きにされつつある。言葉で言うのは簡単だが、海外を渡り歩くたび私はそれをニュースとしてではなく街の中からヒシヒシと肌で感じる。

松尾芭蕉の奥の細道の冒頭にはこう記されている
月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。舟の上に生涯をうかべ、馬の口とらえて老をむかふる物は、日々旅にして旅を栖とす。古人も多く旅に死せるあり。予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず。
(訳)
月日というのは、永遠に旅を続ける旅人のようなものであり、来ては去り、去っては来る年もまた同じように旅人である。船頭として船の上に生涯を浮かべ、馬子として馬の轡(くつわ)を引いて老いを迎える者は、毎日旅をして旅を住処(すみか)としているようなものである。わたしもいくつになったころからか、ちぎれ雲が風に身をまかせ漂っているのを見ると、漂泊の思いを止めることができない
バイクに乗り出したころから、旅というのは日常の対局にあると思っていたが、歳を重ねていった今、それは昔とは違いそれは日常の中に多く存在するようになった。飛行機で行ったことがない場所に行き、車を運転したり電車に乗ったりして見知らぬ人と会うことは私にとって毎日旅をして旅を住処としているようなもので、バイクに乗って日本のどこかに出かけることはどちらかというとそういう意味を持たなってなってしまった。
ハーレーに乗り出したころ、日本中を大きな荷物を積んで走り回った。なぜなら私は物理的にそこに行ったことがなかったからで、目的は単純、その行ったことがない明確な理由のためか、行くたびにいろんな感動と発見があった。今でもハーレーでいろんなところに出かけるのは好きだ。だが、北海道でさえ、十分な装備や金もないまま昼も夜も走り続けた初回の旅を超える感動を与えてはくれない。
今、できればバイク、そうじゃなくても行けるとするなら、ブラジルからアルゼンチンを抜けてパタゴニアあたりだろうか。私も残念ながら仕事に追われているし、ロクな休暇もない。しかし、行けるなら今まで行ったことがない場所に行き、現地の人に紛れ込んで都市を徘徊し酒を飲み、そして何もない舗装された道に繰り出しどこまでもエンジンをうならせて走り続けたい。
行ったことがない、やったことがない
そういうことだけが私の関心を引き、そして今やりたいことだと感じさせる。
今回のNYC滞在の期間中、マンハッタン中心から北に位置するアフリカン・アメリカンが多く住むハーレームに数回足を向けた。
U2のアルバム「Rattle and Hum」と一緒に発売されたビデオに多く出てきたハーレムの様子とブルースミュージシャンの姿が脳裏に焼き付けたまま足を踏み入れた20年後のハーレムは、再開発が進みブルースとゴスペルというよりもラップが鳴り響く猥雑さだけが残った街に変わってしまっていた。
きれいごとばかりではない。
より多くの困難と失望を目の当たりにするのもこれまた旅である。
同時にヨーロッパとアメリカの現地まで出かけて行ってやることがいちいち増えていて、そのせいでここの更新も遅れがちになっています、申し訳ない。

先週はNYCとLAとサンフランシスコをハシゴ。これはタイムズスクエア、久しぶりに夜に時間が取れたので初めての観光(笑)。
しかし強く感じるのは我々日本はものすごい早いスピードで今まで手にしていた栄華を失いつつあること。今回は初めて入国手続きの際に職業といやっていることを担当に伝えると、
"あなたたちはこの国でマーケットを失いつつあるよ"
とすごくストレートに言われた。それはもっとがんばらないとダメだという彼なりの激励の意味もあるのだけど、普通のひとにさらりと言われたことで自分の思いはさらに強くなった
アメリカだけでなく海外のどこにいても感じる存在感がどんどん薄くなる日本と日本人。
資源も何もないアジアの小さなこの国が富めることができているのは、繊細な技術の集積と勤勉な国民性によって作られたモノを輸出することで外貨を稼いできたからだ。
しかしそれはアジアの他の国に模倣され、水平分業かされた産業形態によって日本が得意としてきた分野は骨抜きにされつつある。言葉で言うのは簡単だが、海外を渡り歩くたび私はそれをニュースとしてではなく街の中からヒシヒシと肌で感じる。

松尾芭蕉の奥の細道の冒頭にはこう記されている
月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。舟の上に生涯をうかべ、馬の口とらえて老をむかふる物は、日々旅にして旅を栖とす。古人も多く旅に死せるあり。予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず。
(訳)
月日というのは、永遠に旅を続ける旅人のようなものであり、来ては去り、去っては来る年もまた同じように旅人である。船頭として船の上に生涯を浮かべ、馬子として馬の轡(くつわ)を引いて老いを迎える者は、毎日旅をして旅を住処(すみか)としているようなものである。わたしもいくつになったころからか、ちぎれ雲が風に身をまかせ漂っているのを見ると、漂泊の思いを止めることができない
バイクに乗り出したころから、旅というのは日常の対局にあると思っていたが、歳を重ねていった今、それは昔とは違いそれは日常の中に多く存在するようになった。飛行機で行ったことがない場所に行き、車を運転したり電車に乗ったりして見知らぬ人と会うことは私にとって毎日旅をして旅を住処としているようなもので、バイクに乗って日本のどこかに出かけることはどちらかというとそういう意味を持たなってなってしまった。
ハーレーに乗り出したころ、日本中を大きな荷物を積んで走り回った。なぜなら私は物理的にそこに行ったことがなかったからで、目的は単純、その行ったことがない明確な理由のためか、行くたびにいろんな感動と発見があった。今でもハーレーでいろんなところに出かけるのは好きだ。だが、北海道でさえ、十分な装備や金もないまま昼も夜も走り続けた初回の旅を超える感動を与えてはくれない。
今、できればバイク、そうじゃなくても行けるとするなら、ブラジルからアルゼンチンを抜けてパタゴニアあたりだろうか。私も残念ながら仕事に追われているし、ロクな休暇もない。しかし、行けるなら今まで行ったことがない場所に行き、現地の人に紛れ込んで都市を徘徊し酒を飲み、そして何もない舗装された道に繰り出しどこまでもエンジンをうならせて走り続けたい。
行ったことがない、やったことがない
そういうことだけが私の関心を引き、そして今やりたいことだと感じさせる。
今回のNYC滞在の期間中、マンハッタン中心から北に位置するアフリカン・アメリカンが多く住むハーレームに数回足を向けた。
U2のアルバム「Rattle and Hum」と一緒に発売されたビデオに多く出てきたハーレムの様子とブルースミュージシャンの姿が脳裏に焼き付けたまま足を踏み入れた20年後のハーレムは、再開発が進みブルースとゴスペルというよりもラップが鳴り響く猥雑さだけが残った街に変わってしまっていた。
きれいごとばかりではない。
より多くの困難と失望を目の当たりにするのもこれまた旅である。
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